構造化データと非構造化データとは?活用方法と解決手段

in October 7th, 2024

構造化データと非構造化データの違いは、データの構造が明確に定義されているかどうかです。 構造化データは、Excelのように行と列を持つデータ形式で、データベース言語のSQLで検索や更新が容易にできます。 一方で、 非構造化データは、構造が定義されておらず、そのままでは検索や分析が難しいデータ形式です。具体的には、HTML、PDF、CSV、PNG、PPTX などの使いにくい形式で存在するデータです。

両者には、以下のような違いがあります。

構造化データと非構造化データのちがい

構造化データは、たとえばPOSデータなどの商品の売上情報、顧客情報、日時、金額などが整理されたデータや、顧客データなどの氏名、住所、電話番号、購入履歴などがデータベース化されたデータ、在庫管理データなどの商品名、数量、在庫場所、入出庫履歴などが管理されたデータです。

データの操作やクエリの実行がしやすく、ビジネスユーザーが利用しやすい他、使用できるツールが多く、機械学習や AI で利用しやすい特徴があります。一方、目的以外の利用が難しく、目的変更がしづらい他、非構造化データに比べてデータ量が限られます。

一方で非構造化データは、メールやチャットのテキストデータなどに含まれる情報で、具体的には送受信日時、送信者、件名以外の本文内容で、それらは構造化されていません。他にも、IoTセンサーのデータは温度、湿度、位置情報などのデータは、時系列で蓄積されますが、そのままでは分析が困難です。また画像、音声データは、そのままではコンピュータが理解できません。他にもSNSの投稿文はテキストデータですが、投稿者の感情や意図を分析するには、自然言語処理などの技術が必要ですし、企画書や提案書は、 文章や図表が含まれますが、データとして扱うには、必要な情報を抽出し、構造化する必要があります。

膨大なデータ量があり、自由な形式で利用可能で、データの用途が広い一方、専門知識が必要であるためデータ利用に手間がかかり、使用可能なツールが少ない問題を抱えています。

非構造化データ活用の現状と課題

企業が生成するデータの約8割は、非構造化データであると言われています。 非構造化データには、顧客の行動履歴や市場トレンドなど、企業にとって有用な情報が多く含まれています。しかし、その活用は容易ではありません。非構造化データを活用するためには、データの構造化や分析のための専門知識、そして大容量データを処理するためのシステムが必要となるからです。

そのため、ほとんどの非構造化データの活用は企業において進んでおらず、多くのデータが眠ったままの状態にあります。

ただし近年、AI技術の発展により、非構造化データの活用が進められています。例えば、自然言語処理を用いることで、顧客のレビューから商品に対する意見を抽出したり、画像認識を用いることで、不良品を自動的に検出したりすることが可能になっています。

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重要性を増す非構造化データ

こうした背景から非構造化データにはますます注目が集まっていますが、その重要性は大きく2つのポイントがあります。

1つは、企業の競争力強化です。非構造化データには、顧客の行動履歴や市場トレンドなど、企業にとって有用な情報が多く含まれています。これらの情報を分析し、活用することで、企業は、より顧客ニーズに合った商品開発や、効果的なマーケティング戦略の実施、業務プロセスの改善などを行うことができ、競争力を強化することができます。例えば、SNSの投稿文を分析することで、顧客がどのような商品やサービスを求めているのかを把握し、新商品の開発やサービスの改善に役立てることができます。

もう1つは、DX推進の加速です。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、AIやIoTなどのデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセスを変革していく取り組みを指します。非構造化データの分析は、これまで気付かなかった自社の強みや新たな事業の可能性の発見に繋がり、DX推進を加速させる可能性があります。例えば、顧客からの問い合わせメールを分析することで、顧客が抱える問題点を把握し、サービス改善に繋げることができます。

非構造化データで生まれるビジネス成果

重要性を増す非構造化データの活用ですが、それによって様々なビジネス成果が期待されます。

たとえば、顧客ニーズに合致した商品開発があります。ソーシャルメディアへの投稿文を分析すると、顧客がどのような製品やサービスを求めているかを把握できます。この情報を活用して、企業は新製品の開発やサービスの改善を行うことができます。小売業界では、顧客の購買履歴やウェブサイトの閲覧履歴などの非構造化データを分析することで、顧客一人ひとりに最適な商品をおすすめするレコメンドシステムが開発されています。

AI 活用による新規ビジネスの創出もあげられます。たとえば自動車業界では、自動運転技術の開発に非構造化データが活用されています。自動運転車は、走行中に収集した膨大な画像データを機械学習モデルにフィードバックすることで、障害物や標識などをより正確に認識できるようになります。また金融業界では、顧客の取引履歴や市場データなどの非構造化データを分析することで、投資リスクの評価や不正取引の検知などを行っています。

業務プロセスの改善も重要な論点です。顧客からの問い合わせメールを分析することで、顧客が抱える問題点を把握し、サービスを改善したり、業務プロセスを効率化したりすることができます。製造業では、工場のセンサーデータや機械の稼働状況などの非構造化データを分析することで、故障の予兆を事前に把握し、適切なメンテナンスを行うことで、工場の稼働率向上やコスト削減につなげています。

非構造化データを活用する方法

非構造化データをビジネスで活用するには、いくつかの方法があります。

まずは、AI(機械学習、ディープラーニング)の活用です。非構造化データは、そのままでは分析が難しいですが、AI技術を用いることで、その中から有益な情報を得ることができます。例えば、画像認識AIを用いれば、製造現場における不良品の検出の自動化などが可能になります。また、自然言語処理を用いれば、お客様の声を分析して、商品開発やサービス改善に活用することができます。

次に、メタデータの付与です。非構造化データに、データの内容を説明するメタデータを付与することで、検索性を高めることができます。例えば、画像データに撮影日時や場所、写っている人物などのメタデータを付与することで、後から目的の画像を探しやすくなります。

そして、構造化データへの変換です。非構造化データを、構造化データに変換することで、従来のデータベースで扱えるようになり、分析や活用がしやすくなります。例えば、テキストデータを自然言語処理にかけて、必要な情報を抽出し、データベースに格納することができます。

非構造化データは、これまで活用が進んでこなかったために、宝の山と言われています。AI技術の発展やデータ分析ツールの進化により、非構造化データの活用は、今後ますます容易になっていくと考えられます。

Insights の活用

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